韓国を訪れる際に、やはり気になるのは現地のグルメ。ですが「一人でご飯を食べに行くのはちょっとハードルが高いかも…」と感じる方も多いのではないでしょうか。韓国ではグループでの食事が一般的とされていますが、実は一人でも気軽に楽しめるメニューがたくさんあります。
おひとり様でも大満足の韓国料理をしっかり堪能するために、今回は「一人でも入りやすい」「手軽に味わえる」韓国の人気メニューを9つご紹介します。
一人旅など、ひとりご飯の予定があるという方は是非参考にしてみてください。
韓国はひとりご飯のハードルが高い？
日本と異なり、韓国では「共食文化」が深く根付いています。家族や友人同士で集まり、大皿料理やおかずをみんなでシェアするスタイルが一般的で、家庭だけでなくレストランや居酒屋でも「みんなで一緒に食べること」が重視されています。そのため、多くの飲食店では2人以上向けのメニューが中心となっており、特に焼肉や鍋料理などはグループでの食事が前提のことが多く、一人での利用には少しハードルを感じることもあります。
さらに、テーブルの真ん中に大皿を置いて食べる習慣があるため、一人分の小皿料理が提供される日本と比べると、「自分だけの料理を頼む」という発想が一般的ではありません。こうした背景から、初めて韓国を訪れる一人旅の方にとっては、「ひとりご飯をどう楽しめばいいのか？」と悩む場面もあるでしょう。しかし、最近では一人向けのサービスやメニューを提供するお店も増えています。この記事では一人でも入りやすく、オーダーしやすい韓国ならではのグルメをご紹介していきます。
韓国でのひとりご飯におすすめなメニュー
韓国で一人で食事するなら朝ご飯には「キンパ」や「お粥」、「トースト」がおすすめ。お昼ご飯や夜ご飯には「冷麺」や「カルグクス」、「クッパ」、「サムゲタン」、「キムチチゲ」、「ジャージャー麺」などがぴったりです。それぞれどんな韓国料理なのか詳しくみていきましょう。
キンパ
韓国のソウルフードとして親しまれる「キンパ」。日本の海苔巻きと似ている食べ物で、ごま油で香ばしく仕上げられた海苔が特徴。中にはご飯や具材がたっぷり詰まっています。キンパの具材は、野菜、たくあん、卵、ほうれん草、ツナ、プルコギなどなど。ヘルシーなものからボリューム感のあるものまでバラエティにとんでいます。一口サイズに切り分けられているため、食べ歩きや移動中にもぴったりです。コンビニでも購入が可能ですが、韓国の美味しいキンパを食べたいという方は”粉食（ブンシク）店”と呼ばれる軽食専門の食堂を訪れるのがおすすめ。キンパは韓国の辛いラーメンとも相性が良いので、是非一緒にオーダーしてみてください。
お粥
旅先で少し疲れを感じたときや、朝のやさしい食事にぴったりなのが韓国のお粥。韓国では「チュク（죽）」と呼ばれ、消化が良く体にやさしい料理として親しまれています。米やもち米粉をじっくり煮込んで作る韓国のお粥は、胃にやさしいあっさりとした味わいが特徴。日本ではお粥を外食で食べることはあまりありませんが、韓国にはお粥の専門店がたくさんあります。お粥専門店は朝早く営業しているお店が多いので、朝ごはんにもおすすめです。
日本人にも人気が高いのは、「アワビ粥」でコリコリとした食感のアワビがポイント。栄養価も高く特別感があります。
そのほか、エビや牡蠣、ウニなど、海産物の旨みがポイントのお粥も人気。また、カボチャやキノコなどを使った野菜のお粥は、やさしい甘みや滑らかな舌触りが楽しめ、消化が良いためお子さまでも食べやすいです。
冷麺
韓国の夏を代表する一品「冷麺（ネンミョン）」は、さっぱりとした味わいが特徴のひとりご飯にぴったりなメニューです。冷たいスープに、つるつるとした食感の麺が合わさり、暑い日や少しピリ辛の料理が恋しくなったときにおすすめです。
韓国の冷麺は、水冷麺（ムルネンミョン）とビビン冷麺（ビビンネンミョン）の2種類が定番です。水冷麺は肉類のダシと大根の水キムチの汁をあわせた酸っぱめのスープが特徴の冷麺。さっぱりとしていて辛さがないので、辛いものが苦手な方におすすめです。味が物足りない場合はお酢やからしを足して食べるのが韓国流です。ビビン冷麺は、唐辛子やコチュジャンベースのタレを絡めた冷麺です。甘辛いタレがポイントでピリッとした辛味が食欲を刺激してくれます。
冷麺とあわせてよくオーダーされるサイドメニューは、韓国の餃子・マンドゥやチヂミなど。マンドゥやチヂミの油っぽさを冷麺が緩和してくれるので、パクパクと食べることができます。
カルグクス
温かい麺料理が恋しいときにおすすめなのが「カルグクス」です。カルグクスはやや太めの手打ち麺を使った韓国流のうどん。「カル」が韓国語で包丁、「グクス」は麺を表し、麺を包丁で切って作られることからその名前がつけられました。スープは、あさりなどの海鮮から取るのが定番。あっさりとしながらもダシが効いていて、日本人も思わずほっこりとしてしまう味わいです。カルグクスは辛さがないので、辛いものが苦手な方でもチャレンジしやすい韓国料理。胃にやさしいので、旅行で少し食べ過ぎてしまった時や体調がよくない時にもぴったりです。
クッパ
「クッパ」はスープとご飯を組み合わせた韓国料理の総称。日本では焼肉店などで提供されるシメの雑炊のようなイメージがありますが、韓国では、素材の旨みが溶け込んだスープが主役。牛骨や海鮮、野菜などからとった深い味わいのスープにご飯を合わせるため、栄養も満点で、しっかりと満腹感も得られる一品です。
クッパには多様な種類があり、「コンナムルクッパ（豆もやしのクッパ）」や「牡蠣クッパ」のようにメニュー名に「クッパ」とついたものもあれば、スープとご飯が別々に提供される「ソルロンタン」や「ユッケジャン」も、実はクッパの一種とされています。どれも一人前から注文できる店が多く、一人ご飯のハードルが低い韓国料理です。
サムゲタン
韓国の伝統料理のひとつである「サムゲタン」。滋養たっぷりの薬膳スープとして知られる韓国料理です。若鶏の中にもち米や高麗人参、なつめ、栗などの栄養豊富な具材を詰め、じっくり煮込んだサムゲタンは、食欲が落ちているときでも食べやすく、韓国では暑気払いの料理としても親しまれています。鶏肉は箸でほろりと崩れるほど柔らかく煮込まれており、優しい味わいのスープが体を内側から温めてくれます。
サムゲタンはあっさりとしたスープが魅力ですが、物足りなければ卓上の塩やコショウで好みの味に調整します。鶏肉はお腹を割って食べやすくほぐし、塩を少しつけたり、キムチと一緒に食べてみましょう。高麗人参やなつめ、栗などもそのまま食べることができます。
キムチチゲ
「キムチチゲ」は韓国を代表する鍋料理。家庭料理として知られていますが、定食屋さんや焼肉店のランチメニューとしてキムチチゲはよく提供されています。
キムチチゲは、酸味が増した古漬けキムチと豆腐、豚肉、ネギなどを一緒に煮込んだ一品。キムチの酸味と辛味が絶妙に溶け合ったスープはご飯との相性も抜群です。調味料をほとんど使わず、キムチの味をそのまま楽しむシンプルさが魅力の料理です。
「チゲ」とは韓国語で鍋料理を意味するため、「キムチチゲ鍋」とは表記せずに「キムチチゲ」と呼ぶのが正しい言い方です。
ジャージャー麺
「ジャージャー麺（チャジャンミョン）」は、韓国式中華料理の代表的な一品です。もともとは中国から伝わった料理ですが、韓国でアレンジされ、今では子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。豚肉やタマネギなどを、韓国特有の黒味噌「チュンジャン」で炒めた濃厚な甘辛いソースが特徴で、少しクセのある香ばしい風味が麺によく絡みます。ボリュームがありながらリーズナブルで、一人前から気軽に注文できるのも魅力です。
麺とソースが別々で提供される「カンチャジャン」や、イカやエビなどの海鮮がたっぷり入った「サムソンチャジャン」など、ジャージャー麺はバリエーションも豊富。食べるときは、ソースが麺にしっかり絡むよう、箸を両手に持ってしっかりと混ぜていただきましょう。
トースト
韓国の「トースト」は、日本のトーストとは少し違う、ホットサンドのようなグルメを指します。鉄板で焼いた薄切りのパンに、甘めのジャムやケチャップで味付けした卵焼きやハム、キャベツなどを挟んだトーストで、朝ごはんや軽食にぴったり。少し甘じょっぱい独特の味付けが特徴で、旅行中の手軽な食事としても人気があります。
専門店や屋台では、ハムやチーズが入ったシンプルなトーストが定番ですが、トースト専門のチェーン店などでは牛肉入りやベジタブルトーストなどさらにさまざまな具材を使ったボリュームのあるトーストが楽しめます。
ほとんどの店舗が注文後に目の前で焼いてくれるので、焼きたての香ばしいトーストが味わえます。手ごろな価格で、カフェのようにドリンクも揃っている店舗が多いため、コーヒーやジュースと一緒に楽しむのもおすすめです。
まとめ
今回は一人旅でも気軽に楽しめるひとりご飯向けの韓国料理を9つご紹介しました。
韓国では「共食文化」が根付いていますが、今回紹介したような一人前で注文できる料理も実はたくさんあります。また、最近は韓国でもおひとり様文化が広がりつつあり、ひとりご飯専門のお店もどんどん増えています。昔と比べると、よりひとりご飯が楽しみやすくなっているので、食べたい韓国グルメがある方はそういったお店を選んでみても良いでしょう。
この記事が韓国一人旅、そして韓国でのひとりご飯の参考になれば幸いです。
