渡韓中にスマホやタブレットをネット回線につなぐためには、韓国で使えるモバイルWi-FiやSIMカードの利用が必要です。モバイルWi-FiかSIMカードのどちらかひとつを使えば、韓国旅行中も日本にいるときと同じようにインターネットを使えます。
しかし、モバイルWi-FiとSIMカードのどっちを選べばいいのかわからないという人もいるでしょう。基本的には音声通話付きSIMをおすすめしますが、Wi-FiとSIMカードの違いふまえながら利用するシーンを想定して選ぶのがベストです。
この記事では、モバイルWi-FiとSIMカードの違いを解説しながら、どのような場合にどっちがいいのかを解説します。渡韓中の通信手段で迷っている人はぜひ参考にしてください。
普段と同じように利用したいならSIMカードがおすすめ
日本にいるときと同じ要領でスマホを使いたいなら「音声通話つきのSIMカード」がおすすめです。
音声通話つきSIMカードを選べば、スマホをネットに繋いで調べ物をしたり、お店やホテルへ電話をかけたりすることもできます。家族や友達と一緒に旅行へ行き、もしもはぐれてしまったときにも個々に使える通信手段をもっていることは大きな安心感につながります。
ただし、モバイルWi-FiやSIMカードの違いが理解できれば、より自分に合ったほうを選択できます。モバイルWi-FiとSIMカードの違いをおさえて、自分の利用シーンに合ったほうを使うのがベストです。
Wi-FiとSIMカードの違いからどっちがいいか判断する
| モバイルWi-Fi | ・スマホやタブレットなどの通信機器をインターネットに接続する携帯型のWi-Fiルーターのこと ・海外旅行で使うWi-Fi端末は業者から「レンタル」するのが一般的 |
| SIMカード | ・通話やデータ通信をするために、スマホやタブレット端末に挿し込んで使用するもの ・端末への挿し込みが不要な「eSIM」もある ・モバイルWi-Fiのように使用後に返却する必要はなく、使い捨てできる |
モバイルWi-FiとSIMカードには、使い方や電話回線での通話、使える端末などに違いがあります。違いをおさえたうえで、どっちが必要なのか考えましょう。
| モバイルWi-Fi | SIMカード | |
|---|---|---|
| 使い方 | モバイルWi-Fiの端末にスマホなどを無線で接続して使う | スマホなどの端末にカードを挿し込んで使う ※eSIMの場合はQRコードを読み取って使う |
| ネット回線に接続できる機器の台数 | Wi-Fi端末1つで複数のスマホやタブレットをインターネットに接続できる | SIMカード1枚につき1台のスマホやタブレットしかインターネットに接続できない ※テザリング機能が使える場合は複数の機器を接続可能 |
| 電話回線での通話 | できない | 音声通話付きSIM：できる データSIM：できない |
| 使える端末 | SIMフリー端末やSIMロック解除済み端末でなくても使用できる | SIMフリー端末またはSIMロック解除済み端末のみ使用できる |
| 本体の大きさ | スマホと同じくらいの大きさ | 1cm～2cm程度のカードで、スマホ内に格納する |
上記の表を参考にすると「スマホでインターネットも使いたいし電話番号での通話もしたい」という場合は、音声通話つきSIMカードのほうがよさそうだと判断できます。SIMフリーの端末をもっていないという場合なら、モバイルWi-Fiの利用を検討することになるでしょう。
韓国を旅行するときの状況から逆算して、Wi-FiかSIMカードを選ぶのがベストです。
韓国旅行でWi-Fiがおすすめな場合
モバイルWi-FiかSIMカードのどっちがいいか迷ったとき「Wi-Fiがおすすめ」といえる場合は以下のとおりです。
- 家族や友人などグループで常に一緒に行動する場合
- スマホやタブレットなど複数の端末を使用する場合
- SIMフリー端末を持っていない場合
複数の端末をインターネットにつなげる特徴があることから、複数人での渡韓や複数の端末を使う場合はモバイルWi-Fiの利用がおすすめです。また、モバイルWi-Fiであれば、スマホやタブレットがSIMフリーかどうかを気にする必要もありません。
Wi-Fiがおすすめな場合1：グループで常に一緒に韓国を旅行する
モバイルWi-Fiが1台あれば、複数の端末をインターネットに接続できます。個々にSIMカードを購入するよりも、費用が安く済む可能性が高いです。
ただし、Wi-Fiの端末から離れるとネット回線に接続できなくなってしまいます。一緒に韓国へ行くけれど、途中でわかれて行動する可能性があるなら個人ごとにSIMカードを用意するほうが安心です。
Wi-Fiがおすすめな場合2：複数の端末をインターネットに接続する
なお、SIMカードでもテザリングを使えば複数の機器をインターネットに接続することは可能です。1台の端末にSIMカードを挿入し、その端末をWi-Fiルーターのように使用します。ただし、Wi-Fiルーターの役割を担う端末の充電が、テザリングの使用によって消費されやすくなるデメリットもあります。スマホにSIMカードを挿入して使う場合は、スマホのバッテリーの減りが早くなるかもしれません。
複数の機器をインターネットにつなぐのであれば、モバイルWi-Fiを用意したほうがスマホのバッテリーを温存しやすいでしょう。
Wi-Fiがおすすめな場合3：スマホがSIMフリーやロック解除されていない
SIMカードを利用する場合、SIMフリーの端末や、SIMロックが解除された端末を使わなければなりません。わざわざSIMフリー端末に買い替えたり、ショップへ行ってSIMロックを解除したりするのも手間ではないでしょうか。
SIMフリーの状態になっていない端末を、そのまま韓国でも使いたいのであれば、Wi-Fiを優先的に検討しましょう。
韓国旅行でSIMカードがおすすめな場合
モバイルWi-FiかSIMカードのどっちがいいか迷ったとき「SIMカードがおすすめ」といえる場合は以下のとおりです。
- 電話番号での通話がしたい場合
- 個人で行動する場合
- 持ち物を増やしたくない場合
とくに、電話番号での通話はモバイルWi-Fiではできません。
SIMカードがおすすめな場合1：通話回線が必要な場合
ほかにも、通話はできないけれどSMSだけ使えるSIMもあります。
データSIMは、インターネットの利用のみ可能です。LINEなどのアプリでインターネット回線を使って音声通話をすることはできます。ただし、電話回線は使えないため、電話番号による発信や受話はできません。
一方、音声通話付きSIMであれば、インターネット回線の利用に加えて、電話番号による通話が可能です。
| インターネット回線 | 電話回線 | |
|---|---|---|
| データ通信専用SIM | ◯ | ✕ |
| SMS対応SIM | ◯ | △通話はできないがSMSやSMS認証は可能 |
| 音声通話付きSIM | ◯ | ◯ |
韓国旅行中は、行きたいお店やホテルに電話で確認するといったシーンも多くなるでしょう。電話番号での通話をしたいのであれば、音声通話付きSIMを選びましょう。
SIMカードがおすすめな場合2：個人で行動する場合
韓国旅行中に別々に行動してあとで合流する場合や、友達とはぐれてしまった場合、ネット回線に接続できなくなるおそれがあります。SIMカードを使って個別にインターネットを使えるようにしておけば、行動の自由度も高まり、万が一はぐれたときも安心です。
SIMカードがおすすめな場合3：持ち物を増やしたくない場合
SIMカードは、使う端末に挿し込んで利用するため、荷物を増やさずに済みます。一方、モバイルWi-Fi端末は、スマホやタブレットとは別で常に持ち歩く必要があります。
モバイルWi-Fiでは、軽量・薄型の端末も増えていますが、持ち歩く荷物をひとつでも減らしたい場合はSIMカードの利用がおすすめです。
Wi-FiとSIMカードのメリット・デメリット
韓国旅行中にモバイルWi-FiかSIMカードのどちらを使うのがいいのか、メリットやデメリットを比べながら考えてみましょう。
Wi-Fiを利用するメリット・デメリット
Wi-Fiを利用するメリットとデメリットは以下の通りです。
- 複数の機器をネット回線に接続できる
- SIMフリー端末でなくても利用できる
- ネットへの接続が比較的簡単
- 電話回線での通話はできない
- Wi-Fi端末の持ち運びや充電が必要
- グループ旅行時は常に一緒に行動する必要がある
SIMフリー端末でなくても使える点や、無料Wi-Fiに接続するのとほぼ同じ要領でインターネットへ接続できる点はWi-Fiならではのメリットといえます。
一方で、電話回線での通話ができない点はSIMカードと比べたときに大きなデメリットだと感じられるでしょう。
SIMカードを利用するメリット・デメリット
SIMカードを利用するメリットとデメリットは以下の通りです。
- 音声通話付きSIMなら電話回線での通話が可能
- Wi-Fi端末など別の機器を持ち運ぶ必要がない
- 使い切りのため返却手続きが不要
- SIMフリー・SIMロック解除済み端末を用意する必要がある
- グループで旅行する場合はWi-Fiよりも費用がかかる可能性がある
- 事前設定が必要な場合がある
音声通話つきSIMなら、電話回線での通話ができる点は大きなメリットといえます。
一方、SIMカードによってはAPN（アクセスポイントネーム）といって、インターネットへの接続先を指定する設定が必要になるケースもあります。説明書に従って設定したり、ネットで調べながら設定したりすれば難しくありませんが、そういった作業に苦手意識がある人にとってはデメリットとなる可能性が高いです。
Wi-FiとSIMカードを両方利用するとより安心
インターネットへ接続できる2つの手段をもっておけば、システム障害など何らかの理由でどちらか一方が使えなくなっても、もう一つの手段が使える可能性が残されます。
容量無制限プランでモバイルWi-Fiをレンタルし、音声通話つきSIMを少ないデータ容量で購入するといった方法もひとつの手です。インターネット使用時はモバイルWi-Fiを使い、SIMカードは電話回線での通話用やWi-Fiが使えないときの緊急用として用意します。
- たとえば、万が一モバイルWi-Fiの調子が良くないときでも、SIMカードで多少でもデータ通信ができれば、スマホで解決策を調べるなど急場をしのげるメリットがあります。さらに、音声通話つきSIMを用意していれば、電話でサポートデスクへ問い合わせるなどトラブルを解決する手段の幅もひろがります。
「多少手間やお金はかかっても、現地での安心感を優先したい」という人は、モバイルWi-FiとSIMカード両方の利用を検討しましょう。
まとめ
韓国旅行中にスマホやタブレットなどでインターネットを利用するためには、モバイルWi-FiかSIMカードのどちらかが必要です。
日本にいるときと同じようにスマホを利用したい人には音声通話つきSIMカードをおすすめしますが、友達や家族とグループ旅行をする場合や、SIMフリー端末がない場合など、モバイルWi-Fiが適している場合もあります。
また、あえてどちらかひとつに絞るのではなく、モバイルWi-FiとSIMカードを両方使うのもひとつの方法です。システム障害などに備えて通信手段が2つあると、より安心できるでしょう。
韓国旅行中にどのように使えるのがベストかを考え、モバイルWi-FiとSIMカードのどっちを使うのか、あるいは両方利用するのかを選択しましょう。
