暑い日にぴったりのあっさり韓国冷麺。
実は北朝鮮の寒い地方発祥の、冬の料理だと知っていましたか?
「韓国冷麺にはどんな種類がある?」
「韓国ソウルにある冷麺の人気店を知りたい」
という韓国冷麺が大好きな人のために、今回は韓国冷麺のなかでも「水冷麺」と呼ばれている平壌冷麺について特集します!
平壌冷麺の特徴と、おすすめの食べ方についてもご紹介していきます。
ぜひ韓国ソウルにある人気店をチェックして、韓国旅行の際に訪れてみてはいかがでしょうか。
注目の韓国冷麺、平壌冷麺とは?

韓国冷麺といえば、どんな料理を思い浮かべますか?
韓国の冷たい麺料理全般をいう「韓国冷麵」ですが、よく知られているメニューは2つあります。
どちらも北朝鮮の地方発祥で、平壌(ピョンヤン)の「水冷麺(ムルレンミョン)」と咸興(ハムフン)の「ビビン冷麺(ビビンネンミョン)」です。
【平壌冷麺(水冷麺)の特徴】
日本で焼肉店などのメニューにある、韓国冷麺と言えばこの「水冷麵」がほとんど。
・麺の原料 | そば粉、緑豆粉 そばが多いと黒っぽい麺、緑豆が多いと緑がかった麺になります。 |
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・スープ | ダシは牛骨がベースで、水キムチの汁を混ぜることで酸味が加わりさっぱりした味のスープです。 |
・トッピング | お好みで酢やからし、キムチを加えると味に変化がでます。 |
【咸興冷麺(ビビン麺)の特徴】
・麺の原料 | じゃがいもやさつまいものいも類 白っぽい麺が多く、水冷麺よりも細くてコシが強い麺が特徴です。 |
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・スープ | スープはほぼなく、コチュジャンをベースにしたヤンニョムタレを麺に絡めて食べる、いわゆる混ぜ麺です。辛味が苦手な人は、水冷麺がおすすめです。 |
・トッピング | ゆで卵、きゅうり、大根キムチなど 麺が嚙み切れないほど固いので、ハサミで切ってから食べるのが一般的です。 |
他にも、クズの粉を混ぜた葛冷麺(チンネンミョン)、緑茶を混ぜ込んだ緑茶冷麺というものもあります。
「韓国冷麺」は、地方によってさまざまなアレンジで食べられている伝統料理です。
韓国冷麺のおすすめの食べ方
そのままでもおいしい韓国冷麵ですが、さらにおいしくなるおすすめの食べ方をご紹介します。
〇ハサミで切る
韓国冷麵は歯で嚙み切るのが難しいくらいコシが強いので、お店のテーブルにはハサミが用意されています。
テーブルにない場合はお店の人が切ってくれることがあるので、頼んでみてください。
長い麺をハサミで切るのは縁起が悪いと感じる人は、ハサミを使わずに食べても問題ありません。
〇トッピング(薬味)
スープに入れるトッピングとして酢、からしは基本的にテーブルにセットされています。キムチがついているものもあります。
まずはそのまま食べてみて、お好みでこれらを足して変化を楽しんでください。
ゆで卵が添えられていることも多いです。卵は、辛味のあるものをマイルドにする効果もありますが、先に食べると胃を守ってくれる働きもあるのでおすすめです。
〇牛骨スープ
冷麺とセットで、温かい牛骨スープ(ユクス)がついてくるお店があります。
冷麺発祥の地北朝鮮では寒い日が多く、麺が冷たいので、冷えすぎないように温かくする役割があります。特に咸興冷麺(ビビン麺)と一緒に提供されることが多く、タレの辛さを抑えるためとも言われています。
〇サイドメニュー
平壌冷麺(水冷麺)のサイドメニューとして人気なのが、マンドゥという韓国式餃子です。蒸し餃子が一般的で、丸くて一口サイズの可愛らしい形をしています。中身は豚ひき肉と豆腐が混ざっていて、あっさりした味で韓国冷麺とよく合います。
韓国ソウルの平壌冷麺(水冷麺)|おすすめのお店5選
韓国ソウルにある、平壌冷麵(水冷麵)のおすすめ人気店をエリア別にご紹介します!
🗺️ 江南エリア 🗺️ |
ソルヌン
NHK BS「突撃ストリートシェフ・平壌冷麵編」で取り上げられ、日本でも有名になったお店です。 冷麺だけでなく、さまざまな北朝鮮料理が食べられます。 もともと北朝鮮の平壌で、親子3代にわたって冷麺専門店を営業していました。 平壌の高麗ホテルで長く料理人をしていたお母さんが、ソウルへ脱北して始めたのが「ソルヌン」です。本場平壌の本格的な水冷麺が楽しめます。 |
📒 人気メニュー 🥢平壌冷麵(水冷麵) 15,000ウォン〜(約1,560円) そばの実を皮ごと製粉したそば粉をメインに使用して、じゃがいもでん粉を混ぜているので平壌冷麵のなかでもしっかりしたコシを味わえます。 スープは牛骨、豚肉や鶏ガラなどお肉の旨味をふんだんに利用し、化学調味料は一切使わない方法で作られています。 安心して最後まで飲み干せる一杯となっています。 トッピングには水キムチ、きゅうり、にんじん、豚肉、錦糸卵など盛りだくさんで写真映えするカラフルな見た目も人気です。 🥢蒸しマンドゥ(6個/皿) 14,000ウォン(約1,460円) 🥢緑豆のチヂミ 16,000ウォン(1,670円) |
【店舗情報】
住所 | ソウル特別市 瑞草区 瑞草洞 1551-9(서울특별시 서초구 서초동 1551-9) |
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アクセス | 地下鉄2号線瑞草駅 1番出口から徒歩2分 |
営業時間 | 11:00~21:00 |
定休日 | 土曜、旧正月・秋夕(チュソク) |
真味平壌冷麺(チンミピョンヤンネンミョン・진미평양냉면)
2017年から7年連続「ミシュランガイドソウル」のビブグルマンに選ばれた名店です。 行列ができるほどの人気店で、夜は冷麺以外のメニューを楽しむ人もいるので、平壌冷麵を食べるならオープン後すぐのランチタイムがおすすめ。 |
📒 人気メニュー 🥢平壌冷麵(水冷麵) 10,000ウォン(約1,040円) 麺はそば粉がメインで、緑豆も少し入ってコシがありつつ、比較的噛みやすい硬さの麺が特徴です。 スープは牛肉と牛の脚の骨からダシをとっていて、さらに大根を加えることでさっぱりした後味に仕上がっています。少し薄味のため、テーブルにセットされたお酢やマスタード、唐辛子粉などを入れて味を調節してください。 🥢マンドゥ(6個/皿) 10,000ウォン(約1,040円) 🥢プルコギ(2人前) 46,000ウォン(約4,790円) |
【店舗情報】
住所 | ソウル特別市 江南区 論峴洞 115-14(서울특별시 강남구 논현동 115-14) |
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アクセス | 地下鉄7号線江南区庁駅3番出口から徒歩7分 |
営業時間 | 11:00~21:30 |
定休日 | 年中無休 |
🗺️ 東大門エリア 🗺️ |
平壌麺屋(ピョンヤンミョノッ・평양면옥)
本店は、観光地として人気の東大門エリアに位置しています。 北朝鮮・平壌出身の祖父を持つ店主が、1985年に開業した本格的な平壌冷麵が食べられるお店です。2017年から7年連続で「ミシュランガイドソウル」に掲載されました。 麺にはそば粉を使用していて、店舗にある製粉所で丁寧に作られています。 |
📒 人気メニュー 🥢平壌冷麵(水冷麵)、咸興冷麺(辛口混ぜ冷麺)、温麺 15,000ウォン(約1,550円)〜 お店の看板メニュー平壌冷麵の最大の特徴は、肉を使ったダシをベースにしたあっさり味のスープ。 ダシをとって冷ます工程を何度も繰り返すので、完成までに約12時間もかかっています。 トッピングにはあえて味の強い水キムチは入れず、スライスしたキュウリとゆで卵、茹でた豚肉と牛肉のみ。さっぱりとした後味が楽しめます。 味を変えたいときは、お好みでお酢やカラシ、唐辛子ソースを混ぜてもおいしいですよ。 🥢マンドゥ 15,000ウォン 中身がぎっしり詰まった蒸しマンドゥ6個が1皿分です。 刻んだキムチが入ったマンドゥが多いなか、キムチを入れずに作っています。餡に混ぜてあるねぎやモヤシといった野菜の味をたっぷり味わえる逸品です。 |
【店舗情報】
住所 | ソウル特別市 中区 奨忠洞1街 13(서울특별시 중구 장충동1가 13) |
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アクセス | 地下鉄4号線東大門歴史文化公園駅 5番出口 徒歩3分 |
営業時間 | 11:00~21:30(ラストオーダー21:10) |
定休日 | 月曜、旧正月・秋夕(チュソク)の前日と当日 |
🗺️ 乙支路(ウルチロ)エリア 🗺️ |
ウレオク 우래옥
ローカルなグルメの老舗が多く集まる、乙支路(ウルチロ)。 ウレオク (又来屋)は1946年創業の、ソウル市内でもっとも歴史がある冷麺とプルコギ専門店です。 ソウルで創業後に朝鮮戦争が起きたため、一度は釜山に移転していましたが、休戦後にソウルへ戻って営業を開始しました。 店名のウレオクは「又来屋」と書き、ソウルへ戻ってきたお店という意味が込められています。 70年以上受け継がれてきた平壌冷麵は絶品です💯 |
📒 人気メニュー 🥢平壌冷麵(水冷麵) 16,000ウォン(約1,660円) 平壌冷麵(水冷麵)のスープダシは、厳選された江原道産の韓牛(ハヌ)だけを24時間煮込んで作られています。まさに伝統的でコクのある味わいが特徴です。 麺の原料はそば粉とサツマイモでんぷんが7:3で配合されていて、香りが豊かでコシのあり、あっさりしたスープによく合います。 基本のトッピングはきゅうりの漬物と茹でたお肉だけとシンプルで、麺をしっかり味わえます。 🥢プルコギ 300g(2人前) 74,000ウォン(約7,670円) 平壌冷麵と同じく人気メニューがプルコギです。 注文は2人前から。 プルコギは牛肉をタレに漬け込んで作るのが一般的ですが、タレを使わずニンニクなどの薬味と混ぜ合わせることで牛肉の旨味を引き出しています。 平壌式の伝統ある味が人気の李湯です。 |
【店舗情報】
住所 | ソウル特別市 中区 舟橋洞118(서울특별시 중구 주교동 118) |
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アクセス | 地下鉄2・5号線乙支路4街(ウルチロサガ)駅 4番出口から徒歩約1分 |
営業時間 | 11:30-22:00 |
定休日 | 月曜 |
🗺️ 忠武路(チュンムロ)エリア 🗺️ |
ピルトンミョンオク 필동면옥
ソウルの人気ショッピングエリア明洞(明洞)へも徒歩で行ける場所にある、忠武路(チュンムロ)。 観光地から一歩離れた路地裏や高架下などに、地元の人から愛されるローカルフード店が多く並んでいます。 ピルトンミョンオク(筆洞麺屋)は1985年に開業した老舗で、先に紹介したウレオク (우래옥)と並んで伝統ある韓国冷麺が食べられます。 ソウルの北にある議政府(ウィジョンブ)の冷麺専門店から引き継がれた味を守っています。 ミシュランガイドソウルにほぼ毎年紹介されていて、韓国の有名人の間でも人気のお店です。 |
📒 人気メニュー 🥢平壌冷麵(水冷麵) 15,000ウォン(約1,560円) 「議政府式」冷麺の特徴はそば粉をベースとして、ハサミで切らなくても噛める柔らかめの麺です。 スープのダシは牛肉と豚肉両方を使っていて、最後に大根の水キムチを加えて味を調えています。 トッピングには茹でた牛肉と豚肉、ゆで卵がのっています。 食べる前に麺の上から唐辛子粉とネギを振りかけて、味を引き締めるのが「議政府式」です。 🥢茹で豚肉 30,000ウォン(約3,130円) 🥢茹で牛肉 33,000ウォン(約3,440円) 冷麺のトッピングやお酒のおつまみとして人気の茹で豚肉と牛肉。 冷麺に追加しても、薬味をつけてお肉だけで味わってもおいしいので、いろいろな食べ方に挑戦してみてください。 |
【店舗情報】
住所 | ソウル特別市 中区 筆洞3街 1-5(서울특별시 중구 필동3가 1-5) |
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アクセス | 地下鉄4号線忠武路(チュンムロ)駅 1番出口 |
営業時間 | 11:00~20:20 |
定休日 | 日曜、旧正月・秋夕(チュソク) |
まとめ
韓国だけでなく日本でも専門店ができるほど広く知られるようになった、北朝鮮発祥の韓国冷麺。
今回は韓国冷麺のなかでも、ダシの効いたあっさりスープとコシのある麺が特徴の平壌冷麵(水冷麵)を中心にご紹介しました。
韓国ソウルには平壌冷麵(水冷麵)が食べられる人気店がたくさんありますが、スープのダシや麺の原料がお店ごとに違っていて、それぞれの味を食べ比べることができます。
スープの薬味として、お酢やカラシを入れてお好みに調節するのもおすすめです。
韓国へ行く際には、ぜひ本場の韓国冷麺を試してみてください!