韓国には土地それぞれに郷土料理が存在し、どの料理も絶品。そこで今回は韓国の様々な地域に存在している郷土料理についてご紹介します。
韓国の地方旅行をする際の参考にしてみてくださいね!
①議政府(ウィジョンブ):プデチゲ
議政府(ウィジョンブ)ってどこ?
議政府はソウルの北側に位置しており、ソウル駅からは地下鉄1号線を利用して1時間弱で行くことができます。
ショッピングが楽しめたり、市場があったりとプチ旅行するには絶好のスポットとなっていますよ。
プデチゲとは?
プデチゲとは韓国全域で食べられているチゲ料理です。プデとは『部隊』のことを指していますよ。
元々議政府は米軍や韓国軍の駐屯地として栄えていた地域で、アメリカから入ってきたスパムが具材に入っているのも特徴です。軍人たちが「素早く、おいしくたべられるように」と作られたチゲ料理がプデチゲのルーツとなっていますよ。
米軍の方たちも無理なく食べられるように議政府のプデチゲは甘めになっているので、「ソウルで食べるプデチゲとは違う!」と衝撃を受けるでしょう。
筆者も初めて議政府でプデチゲを食べたときに「今までのプデチゲはなんだったんだ!」とビックリした記憶があります。

② (スウォン):スウォンカルビ
水原(スウォン)ってどこ?
こちらはソウルから見て南に位置する都市。ソウル駅からは地下鉄1号線を利用すれば約1時間程で到着します。
1997年にユネスコ文化遺産にも登録された『水原華城(スウォンファソン)』と呼ばれる朝鮮時代の城塞遺跡がある都市としても有名で、人気の観光スポットとなっていますよ。
スウォンカルビとは?
水原(スウォン)は朝鮮時代に王から自給自足を行えるよう牛を与えられたことがきっかけで、牛の繁栄・牛の市場が発展しました。
その後「他の地域よりも牛がおいしい!」と有名になり、現在までカルビのおいしい場所として知られています。
スウォンカルビは骨付きのことが多く、ジューシーな味わい。塩で食べるのが現地流ですよ。
③ (インチョン):ジャージャー麺
仁川国際空港があることでも有名な仁川(インチョン)。旅行の際に利用する方も多いですよね。
そんな仁川はジャージャー麺の発祥地として知られています。
中国から伝わってきたジャージャー麺を少しアレンジして作られたのが始まりで、「簡単に作れるのにおいしい!」と徐々に韓国全体に広まっていきました。
仁川市内には韓国有数の『チャイナタウン』が存在しているのですが、人気のジャージャー麺店が乱立しています。
筆者も様々な所でジャージャー麺を食べましたが、仁川のジャージャー麺は唯一無二の味で、ジャージャー麺を食べるためだけに仁川に通っていたほどです。
④春川(チュンチョン):タッカルビ
春川(チュンチョン)ってどこ?
春川があるのは江原道(カンウォンド)。
江原道は2018年に『平昌オリンピック』が開催された『平昌(ピョンチャン)』や韓国人から人気を集めている海沿いのリゾート地『江陵(カンヌン)』なども存在している地域です。
そんな江原道の中でもソウル寄りにあるのが春川。『冬ソナ』のロケ地としても知られています。
タッカルビって?
春川(チュンチョン)ではタッカルビが有名。
日本でも一時期大ブームを巻き起こし、食べたことのある方も多いのではないでしょうか?
春川では元々養鶏場が多く存在していたため、鶏をよく食べていたそうです。そこから徐々に変化し、タッカルビという料理が出来上がりました。
元々タッカルビは鶏肉・キャベツ・玉ねぎ・ニンジンなどを辛いソースであえたものを指します。日本のようにチーズタッカルビというのはなく、トッピングとしてチーズを追加する場合が多いですよ。
またタッカルビをサンチュに包んで食べるのが現地流。ぜひ本場の味を楽しんでみてくださいね!

⑤安東(アンドン):チムタク
安東(アンドン)ってどこ?
ソウルからKTXを使って約2時間程で到着する地域。ユネスコ世界文化遺産に登録された『安東河回村』などが有名で、昔ながらの伝統を守ってきた場所です。
チムタクとは?
鶏肉・ジャガイモ・玉ねぎ・ニンジン・春雨などを甘辛いソースで煮た料理で、韓国全域でよく食べられている人気料理です。
安東では鶏肉を使用した料理がよく食べられており、「1つの料理でバランスよく食べられる鶏肉料理にしよう」と徐々に広がったのがこのチムタク。
2000年ごろから韓国全土に広がり、愛されるようになった料理です。
現在、鶏肉は骨あり・骨なしから選ぶことができたり、チーズや餅のトッピングができたりと、自分のオリジナルで食べられるのも人気の一つとなっています。
お店によっては辛さも選ぶことができるので、辛いのが苦手な方もご安心を!
⑥栄州(ヨンジュ):ユッケビビンバ
栄州(ヨンジュ)ってどこ?
韓国の中東部に位置する場所で、農業が盛んな地域です。韓牛が有名な地域としても知られていますよ。
また朝鮮時代に優秀な儒学者を教育していた場所としても有名です。
2021年にKTXが開業した為、旅行でも行きやすくなった場所ですよ。
ユッケビビンバとは?
栄州(ヨンジュ)は韓牛が有名ということから、「ユッケビビンパもおいしい!」として知られています。
日本ではなかなか食べる機会が減ってしまったユッケですが、韓国ではよく食べられており、ソウルだと『広蔵市場(クァンジャンシジャン)』などが有名です。
ご飯とユッケ、キュウリやニンジンなどの野菜を全て混ぜ合わせて食べるユッケビビンバは臭みがない韓牛のうま味、ごま油の香ばしい風味などが合わさって、元気になるような一品です。
日本ではなかなか味わえない料理なので、ぜひ食べてみることをおススメします!

⑦全州(チョンジュ):チョンジュビビンバ
全州(チョンジュ)ってどこ?
ソウルから南に230㎞ほどの場所に位置しており、韓国全体で見ると中央からやや南西にあります。
昔は官庁が多く存在していた場所で、有形・無形に関わらず文化財がたくさん存在していますよ。特に『全州韓屋(チョンジュハノク)村』は約700軒の韓屋(韓国の伝統家屋)が保存されています。昔の制服を借りて街の中を回ったりすることができ、観光にもおススメですよ。
全州は「韓国の歴史を知りたい!」と言うときにおススメの場所。いたるところに貴重な遺産が残されています。
全州ビビンバとは?
ビビンパは韓国のみならず、日本でもよく食べられていますよね。
そんなビビンパは全州の郷土料理として知られています。
ビビンパとはご飯の上に野菜・肉など30種類以上の食材を彩りよく並べた食べ物のことを指し、全てをしっかり混ぜてから食べる料理です。
元々ビビンパとは『비비다』と呼ばれる韓国語が由来。日本語で『混ぜ合わせる』という意味を持ち、全てを混ぜて食べるという料理の特徴からつけられました。
忙しい現代人にとっても、「素早い、おいしい、バランスがとれている」ということから愛されている料理です。
全州のビビンパは他のビビンパと違い、真鍮の器に入れられていることがポイント。
ぜひ本場の味を楽しんでみてくださいね!
【番外編:マッコリも有名!】
全州は韓国3大マッコリの一つとされており、米と麴のみで作られた韓国の伝統的なお酒となっています。
生マッコリや栗マッコリなど、様々な種類のマッコリが発売されており、他のお酒と比べて甘いのが特徴的です。
全州には「マッコリタウン」と呼ばれる名所が存在するほど、マッコリが有名ですよ。
韓国では『二日酔いが最もひどいお酒』としても有名なので、のみ過ぎには注意が必要です!
⑧大邱(テグ):マクチャン
大邱(テグ)ってどこ?
韓国第三の都市として知られており、釜山から見て北に位置しています。KTXが通っているため、ソウルから旅行するのもとても楽ちんな場所ですよ。
また大邱は韓国一暑い場所としても有名。『韓国のアフリカ』という異名もあるほどです。
マクチャンとは?
マクチャンとは『ホルモン焼き』のこと。
大邱には『マクチャン通り』と呼ばれる通りがあるほど、マクチャンを食べられる場所が多く存在しています。
ホルモンと聞くと「臭みがあるのでは?」と思う方もいると思いますが、大邱のマクチャンは全く臭みはありません!
上質な脂身でくどさも感じず、ペロッと食べられてしまいますよ。
ただ焼くときにかなり匂いが付きますので、すぐに洗濯できる格好で行くのをおススメします。
⑨釜山(プサン):テジクッパ
釜山(プサン)ってどこ?
韓国第二の都市と呼ばれる釜山(プサン)は日本からもほど近く、訪れたことがある方も多いかと思います。
クァンアンリとヘウンデと呼ばれる2大ビーチを有し、バケーション時期には多くの人々で混雑していますよ。

テジクッパとは?
そんな釜山で一番有名な料理がテジクッパ。テジとは『豚』のことを指しており、豚肉を淡泊なスープと共に味わう料理です。
テジクッパも韓国のどの地域でも味わうことができますが、釜山のテジクッパは格別!
お肉の臭みも感じませんし、次から次へと口に運びたくなる中毒性のある味になっています。
途中からご飯をスープの中に入れて一緒に食べるのが一般的。
最後は器を斜めにして、一滴残らず食べるというのが当たり前の光景です。
⑩済州(チェジュ)島:黒豚(フッテジ)
済州(チェジュ)島ってどこ?
韓国のハワイとも呼ばれる島で、韓国人が旅行として多く訪れる場所です。美しい海に囲まれており、どこのビーチに行っても最高の体験ができるでしょう。
またお茶専門店として有名な『오설록(オソルロク)』の茶畑があったりと抹茶の産地としても有名。
さらには済州島にあるスタバでしか飲めない限定ドリンクなどもありますよ!
また済州島は独自の文化を築いてきた場所のため、韓国人でも分からないような方言を使うのも特徴的です。
黒豚(フッテジ)とは?
済州島は黒豚の産地として、とても有名な地域です。そのため、済州島の中には黒豚を扱うお店がたくさんありますよ。希少な豚のため、他の豚肉に比べるとかなりお値段は上がりますが、それでも食べる価値あり!の逸品です。
筆者も何度か食べたことがありますが、柔らかいだけでなくお肉がとてもジューシーで衝撃を受けました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は韓国の郷土料理についてご紹介しました。
韓国は地方都市にもおいしいものが多くあります。さらには地域それぞれにさまざまな観光地も存在しており、地方旅行もとても楽しいですよ。
ソウル以外にも旅行してみたい!と考えている方はぜひ検討してみてくださいね。