観光ビザは外国を訪れる際に観光目的で滞在するために必要な許可証の一種で、取得することで短期間の滞在が許可され、観光地の訪問や文化体験などの海外旅行を楽しめます。
国によって観光ビザの取得条件や滞在期間はさまざまであり、しっかりと理解していないと入国できない事態になりかねません。
本記事では韓国観光にビザは必要かをはじめとした、韓国のビザ関連の情報をまとめています。
韓国に入国するための具体的なステップや必要な持ち物など、初めて韓国旅行を訪れる人に役立つ情報を多くまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
韓国の観光にはビザは不必要
2024年時点では観光目的で90日以内の滞在ならば、観光ビザなどのビザの取得をしなくても韓国に入国可能です。
そのため、一般的な旅行であればビザ取得の手間を介さずに韓国を楽しめます。
韓国は観光ビザの取得の必要がないことに加え、日本から飛行機で2〜3時間ほどで到着するので時差ボケもないことから、初めて海外旅行する人でも負担がかかりにくい旅行先だといえるでしょう。
K-ETAの登録も免除されている
K-ETA(Korea Electronic Travel Authorization)は韓国に短期間滞在する外国人向けの電子旅行許可制度です。
2021年9月から入国ビザが免除されている国籍の渡航者に対して、K-ETAの取得を義務付けています。
しかし、「Visit Korea Year 2023-2024」の施策の一つとして、日本を含む対象国22ヵ国は2024年までK-ETAの取得を免除されています。
2024年までのK-ETA免除期間が、2025年1月1日から12月31日までに延期したことが決定したため、当分は韓国旅行においてK-ETAを取得せずに済みますが、一時的なものに過ぎませんので韓国旅行前に最新情報を確認しておくと良いでしょう。
韓国で90日以上滞在する予定の人はビザが必要!
90日以内かつ観光目的の滞在なら、韓国では入国にビザは必要ありません。
しかし、仕事や留学など他の目的で長期滞在するなら目的に応じたビザの取得が必要です。
ここでは、観光目的以外で韓国で90日以上滞在する人向けに発行しているビザを4種類紹介します。
韓国旅行をきっかけに、韓国で語学や文化を学びたいと感じた人は参考にしてみてください。
学生ビザ
韓国に90日以上留学する学生は目的に応じたビザを取得する必要があります。
学生が取得できるビザには、語学留学を目的とした「D-4ビザ」と韓国での就労が可能な「ワーキングホリデービザ」があります。
ワーキングホリデービザは18歳から30歳までの健康な人であれば1回のみ取得できるなど、ビザによって取得条件や申請書類が異なるので、概要をきちんと確認してから取得するビザを選択すると良いでしょう。
就労ビザ
韓国に90日以上勤務する社会人も学生同様に、目的に応じたビザを取得する必要があります。
社会人が労働のために取得できる就労ビザは以下のとおりです。
- 特定活動ビザ
- 駐在ビザ
- 企業投資ビザ
ビザによって対象者の条件が異なるので、就労する内容や勤務体系に合わせて取得するように心がけましょう。
なお、どのビザも期間を延長することが可能なので、有効期限よりも期間が長引いてしまっても申請することで韓国で勤務を続けられます。
家族同居ビザ
配偶者や家族が韓国に住む場合は、家族同居ビザを申請しなければなりません。
韓国における家族同居ビザの種類は以下のとおりです。
- 訪問同居
- 居住
- 結婚移民
韓国国籍者を対象としている「結婚移民」や高校生以下の留学生と同伴する人を対象としている「訪問同居」など、移住する形式や韓国国籍の家族との関係によって、取得するビザが異なるので注意しましょう。
また、家族同居ビザで必要な家族関係を証明する書類の取得には、数か月の期間がかかるので前もって準備することが大切です。
ワーケーションビザ
ワーケーションビザは海外企業に所属し、前年度の年間所得が韓国の1人当たりGNIの2倍以上の外国人を対象としたビザです。
他国で導入されている「デジタルノマドビザ」と同じような取得条件をしており、主に韓国外の企業に勤務しているリモートワーカーが活用するビザだといえるでしょう。
【観光ビザを使用しない】韓国に入国するための8ステップ
観光ビザを使用しないとしても、初めて韓国に訪れる人の中には韓国の入国方法に不安を感じている人も少なくありません。
ここでは韓国に入国するステップを8つに分けて解説します。
韓国旅行をよりスムーズに実施するためにも、初めて韓国に訪れる人は参考にしてみると良いでしょう。
1.パスポートなど必要な書類を準備する
90日以下の滞在期間の場合、ビザによる審査を免除できます。
2025年12月31日までK-ETA(Korea Electronic Travel Authorization)も免除されているのでスマートフォンでK-ETAの審査を入力する必要がありません。
ただしパスポートが必要になりますので、所持していない人はパスポートを発行しましょう。
パスポートを持っている人でも、パスポート残存期限が入国時3ヵ月以上あることを確認しておくと安心して使用できます。
2.航空券を予約する
韓国に行くためには飛行機を利用する必要があります。
韓国は日本で人気の旅行先であるため、日程が決まり次第早く予約しないと行きたい日程に航空券が取れない可能性があります。
- 特に3月から5月と9月から11月のシーズンは、多くの人が韓国に旅行するオンシーズンになるので、早めの予約をしておくように心がけましょう。
3.海外保険に加入する
海外保険は海外旅行や出張中に起こり得るトラブルに備えて加入する保険です。
加入すると病気やケガ、盗難など予期せぬトラブルに対して費用を保証してくれます。
韓国は比較的日本と文化が似ている国ですが、治安が悪いエリアがいくつかあるうえ、ケガをしてしまうと日本の保険制度を利用できなくなってしまいます。
韓国旅行のプランで費用を抑えても、不意のトラブルに見舞われたら余計なお金が発生してしまうので、余分な支出を出さないためにも海外保険に加入しておくと良いでしょう。
4.ホテルやアクティビティを予約する
行きと帰りの飛行機を確定したら、ホテルと楽しみたいアクティビティを予約すると良いでしょう。
ホテルを予約する際には複数のサイトで情報を確認し、口コミ情報も収集しておくとより消費者に近い目線で情報をチェックできるためおすすめです。
また、韓国語に不安な人は韓国のアクティビティを予約する際にツアーを活用すると、日本語がわかるガイドがアクティビティをサポートしてくれるので、予算に余裕がある人は検討してみると良いでしょう。
5.空港に向かう
当日になったら航空券を予約した空港に向かいましょう。
韓国のソウルにある仁川国際空港と金浦国際空港、釜山にある金海国際空港などに行く日本の空港は以下のとおりです。
- 成田国際空港
- 羽田空港
- 中部国際空港
- 新千歳空港
- 那覇空港など
空港によって搭乗時間や航空会社が異なるので注意しましょう。
6.入国審査を受ける
入稿審査の際にはパスポートとともに、入国カードを記載する必要があります。
入国カードに記載する内容は以下のとおりです。
- 名前
- 性別
- 出生地
- 生年月日
- 職業
- 韓国の連絡先(ホテル名)
- 入国目的
- 著名
K-ETAを申請していない場合は必ず提出する必要があるので、事前に宿泊するホテル名をメモしておくなどスムーズに記載しておくと良いでしょう。
7.税関をクリアする
免税に該当するものがなければ、税関申告書を提出する必要はありません。
税関申告書を提出しない人は、韓国に入国した際に「税関申告なし(Nothing to Declare)」のレーンに並ぶと良いでしょう。
申告するものがある場合は、税関申告書を作成しましょう。
仁川空港第2旅客ターミナルと金浦空港では、日本語対応のモバイル申告が活用できるので、韓国語がわからない人でも問題なく申告できます。
8.韓国に到着
韓国に到着したら韓国用eSImやポケットWi-Fiを受け取る、WOWPASSを購入するなど韓国旅行で必要なものを速やかに揃えられるように、到着後に用意すべきアイテムを一覧にしたチェックリストを作ることをおすすめします。
韓国観光に必要なアイテム6選
韓国は日本に近いアジア圏の国になりますが、電波や電圧などのライフライン、使用している紙幣や言語は韓国独自のものになるため、必須となる持ち物がいくつもあります。
ここでは、韓国観光に必要なアイテムを6つ紹介します。
以下のアイテムを用意していないと快適な韓国旅行が難しくなってしまうので、必ず準備するように心がけましょう。
1.韓国用eSImまたはポケットWi-Fi
韓国で日本と同じようにスマートフォンやPCを使用してしまうと、割高な通信料が発生してしまうため、対策を講じる必要があります。
韓国用eSImやポケットWi-Fiを事前に契約しておき、韓国の空港や日本で受け取っておくと、どこでも低価格で快適な通信環境を整えられるためおすすめです。
フリーWi-Fiを受信できるエリアもいくつかありますが、エリアの範囲が限られるうえセキュリティも貧弱なので、使用すること前提で旅行する計画を立てないように心がけましょう。
2.パスポート
パスポートは韓国における身分証明書になるので、常に肌身離さずもっておくように心がけましょう。
パスポートの発行や更新手続きは一週間程度で完了するので、韓国旅行に行く前に余裕をもって準備することをおすすめします。
3.現金
韓国の紙幣は「ウォン(₩)」が使用されており、紙幣と硬貨の種類は以下のとおりです。
硬貨 | 10ウォン、50ウォン、100ウォン、500ウォン |
紙幣 | 1,000ウォン、5,000ウォン、10,000ウォン、50,000ウォン |
円からウォンに両替するには以下のようなサービスや機関を利用する必要があります。
- 銀行
- 政府公認両替所
- 自動外貨両替機「WOW EXCHANGE」
- コンビニエンスストア
- 空港
韓国はキャッシュレス文化が発展しているため、現金を使う機会はほとんどありません。
ただし、市場の個人店や公共交通機関など一部の支払いは現金のみの対応になっていることがあります。
そのため、不測のトラブルに備える意味でも少額の現金を持っておくことをおすすめします。
4.クレジットカードや電子マネーなど
一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」によると、2021年の韓国のキャッシュレス決済比率は95.3%であり、日本よりもキャッシュレス文化が浸透している国だといえます。
韓国においてはほとんどの店舗でキャッシュレス支払いができるため、カード決済や韓国のデジタル支払いサービスを活用すると、買い物をスムーズかつ便利に楽しめます。
韓国で使用できるクレジットカードのブランドは以下の通りになるので、複数のブランドのカードを持っておくと良いでしょう。
- Visa
- Mastercard®
- アメリカン・エキスプレス®
- JCB
- 銀聯
5.スマートフォン
スマートフォンは連絡手段としてだけでなく、地図や交通のナビゲーション、ガイドブック代わりとなる情報やアクティビティ・レストランの予約まで、幅広い用途のアプリケーションをインストールできるので旅の快適性を大幅に向上させられます。
ただし、スマートフォンをいつでも快適に使うには通信サービスの対策が必要なので、スマートフォンを使用するシチュエーションを想定して、海外用Wi-Fiを契約しておくと良いでしょう。
6.アダプター
韓国では電圧が220Vであり、110Vである日本の電圧と異なるため、220Vに対応しているアダプターを準備する必要があります。
220V未対応の電化製品を使用してしまうと、火災の原因にもなり得るので注意しましょう。
ホテルによってはユニバーサルコンセントを採用している場合もあり、日本のアダプターでも使用できることがあるので、ホテル選びの一つの基準としてチェックしてみると良いでしょう。
【まとめ】韓国観光にはビザは必要ない
本記事では韓国観光にビザは必要かをはじめとした、韓国のビザ関連の情報をまとめました。
韓国旅行には観光ビザが必要ないので、国内旅行と同じくらい気軽に観光を楽しめる国だといえるでしょう。
ただし、スムーズに入国するためには入国するためのステップや必要な持ち物を把握することが大切です。
本記事を参考に、韓国の入国ステップを大まかに理解して楽しい韓国旅行を満喫してみてはいかがでしょうか。