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日本人がやりがちなNG行動!心得ておくべき韓国での食事マナーと礼儀作法

日本人がやりがちなNG行動!心得ておくべき韓国での食事マナーと礼儀作法

韓国は日本よりも年上の人に対するマナーが重要視されていて、「自分より1歳でも年上の相手は敬うべき」という考え方が当たり前になっています。

儒教の影響で年齢や上下関係がとても大切にされている文化なのです。

韓国旅行では、グルメを堪能するのも大きな楽しみですよね。皆さんは韓国での食事マナーは心得ていますか?マナー違反をせず、トラブルなく食事を楽しむためにも知っておくべきです。

日本と韓国の食事のマナーは違うところも多いので、事前にしっかり予習して渡韓しましょう。

今回は韓国で日本人がやりがちなNG行動や正しい礼儀作法・マナーを詳しく解説します。

韓国の食事マナーの基本

韓国も日本と同じように主食はお米で、お箸を使って食事をする文化があります。

ただ、日本とは違う食事マナーもあるので注意が必要です。日本ではマナー違反になるNG行動でも、韓国では正しいマナーの場合もあります。

美味しい韓国グルメを失礼なく楽しむためにも、食事マナーの基本は覚えておきましょう。

ミンファ

郷に入っては郷に従え!ということで、不快感を与えないように私達が気をつけるべきだね。

スプーンは左・箸は右(置くときは必ず縦向き)

韓国では食事のときに箸とスプーンの両方が準備されます。

スプーンは左・箸は右が正しい置き方。食事を並べるときにご飯が左・スープが右になるので、スプーンを左・箸を右にすると使いやすいからです。

置くときは縦向きにするのが正しいマナー。

箸置きや紙ナフキンがある場合は使用しますが、ない場合はそのまま直接置いてください。グラスや食器の上に箸やスプーンを置く「渡し箸」はマナー違反なので気をつけましょう。

  • 店員さんがなかなか箸やスプーンを用意してくれないなと思ったら、セルフの可能性があります。テーブル横に引き出しがついていないか確認してみましょう。スライドすると中に箸・スプーン・ナプキンなどが入っています。

また、韓国では基本的に繰り返し使える「金属製の箸・スプーン」が準備されます。

2022年11月から、環境を守るために使い捨ての割り箸などを飲食店で提供することが原則禁止になったからです。ただ、割り箸をくださいと申し出れば、出してくれるお店もたくさんあります。

器は持ち上げない

韓国では器を持ち上げないで食事をするのが基本マナーです。

日本では手のひらよりも小さな器(茶碗・汁碗・小鉢など)は持ち上げて食べるのが正しい食事マナー。韓国の食事マナーと違いがあるポイントなので気をつけましょう。

韓国の人々が器を持ち上げずに食事をする理由は2つあります。

  • 昔の制度では器を持ち上げて食事をするのは庶民や物乞いをする人々だった
  • 金属製の食器が多いので熱くて持ち上げられないことが多い

まだ社会的地位を分ける制度があった頃の韓国では、貴族は器を持ち上げずに食事をしていたので、今もその名残が残っていると言われています。

ミンファ

ステンレスなどの熱が伝わりやすい素材の食器が多いから、熱くて持ち上げられないんだね!

韓国での食事の際は、食器は手に持たずに食べましょう。料理によって、スプーンと箸を使い分けて食べるのが韓国の正しい食事マナーです。

  • ご飯やスープはスプーンで食べる
  • おかずは箸で食べる
  • スプーンと箸を同時に使うことはない

ご飯に汁をかけて食べることは一般的

日本ではみそ汁をご飯にかけて食べるのが好きな人もいます。ただ、行儀が悪いNG行動とされているので自宅でのみ楽しむ人も多いです。

韓国ではご飯に汁をかけて食べるのは一般的で、食事マナーに反する行為ではありません。

店員さんが「マラトゥセヨ」と言ったときは、ご飯に汁物をかけてお召し上がりくださいという意味です。そもそも韓国にはクッパやソルロンタンなどの料理もあります。

ソルロンタンは牛骨スープ・米・具材がセットで提供されます。

一定以上の格式あるお店では、スプーンでご飯をすくって牛骨スープにつけて食べるのが暗黙の了解となっている食事マナーです。

庶民的な入りやすいお店では、牛骨スープの中に米を入れても失礼に当たらない場合も。

複数の食べ方があると、間違っていないか不安になりますよね。正しい食事マナーが分かりにくい料理のときは、お店の人に食べ方を聞くのが1番です。

直箸が基本

箸のマナーは韓国と日本では大きな違いがあります。

韓国では「直箸が基本」であり、箸から箸へ直接食べ物を渡す「箸渡し」もNG行動ではないんです。

日本 韓国
・取り箸を使い直箸で取り分けない
・箸渡しは食事のマナー違反
・取り箸を使わず直箸で取り分ける
・箸渡しは日常的な食事の動作

日本では家族や親しい友人との食事の席など、お互いに了承を得ていれば直箸が問題ない場合もあります。ただ、格式高い食事の席ではマナー違反です。

反対に韓国では直箸が基本で、料理の取り分けや鍋料理のときでも取り箸は使いません。

ミンファ

共通するのは逆さ箸にして料理を取り分けないこと。日本では正しいマナーと勘違いしている人も多いけど、持ち手で料理を扱うのは不衛生だよね!

驚いたのは箸渡しが韓国では食事マナー違反にはならないことです。箸渡しは火葬場での骨上げの作法を連想させるとして、日本ではマナー違反とされています。

韓国では箸でお骨を渡す文化はありません。よって、箸渡しはタブーではないのです。

大皿や鍋を直箸で取り分けること、箸渡しで直接食べ物を相手にわたすことは、韓国では食事マナー違反にはなりません。

座るときはあぐらか膝を立てる

韓国は食事のときの座り方は、あぐらや立て膝が基本です。

男性はあぐらか立て膝・女性は立て膝と言われていましたが、洋服を着る文化に変わってからは女性もあぐらで座る人が増えました。

チマチョゴリを着ていた時代では、片膝を立てた状態で座るのが最も美しく見せられる姿勢だったのです。裾がふんわりと広がるんですよね。

座卓が多い韓国では、あぐらや立て膝で座ると足を痛めにくいのも理由のひとつです。

韓国では正座は悪いことをして罰を受けるときや謝罪をするときにするものなので、日本人が正座をして食事をしているのを見ると落ち着かないそうですよ。

食事をするときはあぐらや立膝を意識して、韓国の方々を緊張させないようにしましょう。

年長者から食べる

韓国は日本よりも年上を敬う考えが強いため、料理も年長者を中心に並べられます。

食事を始めるときも、年長者が箸をつけた後に食べ始めるのが正しいマナーです。幼い頃から父親や祖父が食事を始めるまでは食べてはいけないと教えられます。

また、年長者が食事を終えたら、まだ食事の途中でも箸をおくのがマナーです。

食べるスピードが速い人は要注意。韓国では年長者よりも先に食事を終えるのもマナー違反なので、食べ終わるタイミングを合わせる心がけをしましょう。

ミンファ

日本でも昔は年長者から食事を始めるマナーがあったけど、今はもうわずかな地域でしか行われていないんだって!

お酒を飲む時は横を向く

韓国ドラマでもよく見かける横を向いてお酒を飲むシーン。日本人はしない行動なので、なぜ横を向いて飲むの?と不思議に思う人も多いですよね。

年上・目上の方の前でお酒を飲むのは失礼という、儒教の教えが根付いているからなんです。

正しいマナーは横を向いて口元を隠してお酒を飲むこと。そして、飲むときも必ず年長者にお酒を勧められてからなので、自分から率先して飲むことはありません。

日本ではしないお酒の飲み方なので忘れがちですが、失礼のないように覚えておきましょう。

相手にお酒を注ぐのはグラスが空になってから

韓国では相手のグラスが空になってからお酒を注ぐのがマナーです。

以前、韓国の方とお酒を飲む機会があったのですが、空になってからというマナーを知らずにお酒を注ごうとしてしまったことがあります。

残っているお酒をわざわざ飲み干してグラスを出してくれました。

今思えばマナーを知らなかったとはいえ、とても失礼なことをしたなと反省しています。

ミンファ

韓国ではお酒が残っているのに注いでしまうと「早く全部飲んで新しいお酒を注がせて」という意味になってしまうんだよ…。

反対に日本では相手のグラスが空にならないように、絶妙なタイミングでお酒を注ぐのが基本的なマナーです。韓国では間違えると相手に気を遣わせてしまうので気をつけましょう。

  • 韓国では年長者が酒を注いでくれたときや、新しい話題に変わるとなどに何度も乾杯をします。乾杯をするたびにグラスを空けるので、お酒を飲むペースは早めで注ぐ機会は多いです。

注ぐときは片手ではなく、もう片方の手を必ず添える

韓国ではまず年長者・目上の人のグラスにお酒を注ぎます。

ボトルを持つときはお酒のラベルが相手に見えるように上向きになると良いと言われていますが、そこまで徹底しているシーンは多くありません。

お酒を注ぐときは両手を使い、片手が空いている状態を作らないように気をつけてください。

注ぐときは必ずビンやボトルを右手で持ち、左手も添えるのが敬意を示すマナーです。

左手はビンに添えるのもいいですが、胸に軽く当てる・右肘や手首あたりに添えるのも問題ありません。

反対に年長者や目上の方からお酒を注いでもらうときは、必ず両手でグラスを持ちましょう。

友人との飲み会や食事の席では片手でグラスを差し出すこともあるようですが、韓国旅行で失敗しないためにも基本的に両手で持つことを心がけるのがおすすめです。

食事中に音を立てない

韓国では基本的に食事中には音を立てないのが正しい食事マナーです。

口を開けたまま音を立てて食べるクチャラーは、日本と同じように韓国でもマナー違反とされています。周囲に過度な不快感を与えるため、食事はしっかり口を閉じて楽しみましょう。

クチャクチャと音を立てて食べるのは美味しいという意思表示と言う人もいますが、正しい食事のマナーではありません。韓国ドラマでもよく見かけるので、韓国の文化だと間違えそうになりますよね。

食事中の音で最も気をつけたいのが麺類を食べるときです。

  • 豪快にズズズッと音を立ててすすらないように気をつける
  • 麺をスプーンに少しずつのせて食べてもよい
  • ハサミが提供されるほど長い麺は切ってもよい

日本でラーメンやそばを食べるとき、すする音を立てて食べると風味や味が深く味わえるとして、マナー違反にはなりません。

韓国には同じ文化はないので冷麺やカルグクス・チャジャンミョンなどを食べるときは気をつけてください。

例外として熱々のスープを冷ますときの息を吹きかける音や、クッパやチゲなどの熱い料理を口にするとき意図せず出るすする音がマナー違反になることはありません。

日本でラーメンやそばを食べるときのような、大きなすする音でなければ問題ないでしょう。

食事を少しだけ残す

韓国では食事を少しだけ残すのが正しい食事マナーというのは、最近は薄れてきています。

食事を少しだけ残すのは「提供された料理に満足したことを示す」意味があるので、わざと一口分残すことで意思表示をしていたのです。

ミンファ

全部食べてしまうと不満足・おもてなし不足と相手に思わせてしまい、失礼にあたる行為だと言われていたんだよ。

でも、最近の韓国ではフードロスをなくすためにも、全部食べきるのが一般的になっています。

韓国の目上の方の自宅に招かれて食事をいただいたときなどは、食事を少しだけ残して満足した意思を示すのがいいでしょう。飲食店では完食しても問題ありません。

その時の状況でどうするべきかを判断して使い分かるのがおすすめです。

マナーを守るのは常識!適切な振る舞いを心がけよう

韓国には儒教の教えによる独自の食事マナーが存在しています。

「自国にはそんなルールはない」と気にせず普段通りに食事をしていると、不快感を感じた韓国の方から注意されることも。トラブルに発展する可能性もあるため要注意です。

韓国での食事を楽しみたいなら、「郷に入っては郷に従え」でマナーを守るのは常識。

適切な振る舞いを心がけることで、楽しい食事や旅の思い出ができますよ。