脂肪吸引を検討する方たちの中で、韓国の脂肪吸引が「安くて人気」と評判になっていることはご存じですか?SNSやブログでは「驚くほど安いのに細くなった!」といった声をよく目にし、憧れを抱いている人も多いかもしれません。
しかし、価格だけに目を奪われて韓国のクリニックを選んでしまうと、思わぬリスクに直面することも。実際、死亡事故や深刻な後遺症が報道されるケースもあります。
この記事では、韓国で脂肪吸引を受ける際に潜むリスクと、安全に施術を受けるためのポイントを、初心者向けにわかりやすく解説します。
韓国脂肪吸引の相場はなぜこんなに安い?
韓国で脂肪吸引を受ける場合、費用は日本の1/2〜1/3ほどと言われています。例えば日本では全身脂肪吸引に100〜150万円かかるところ、韓国では50万円以下で受けられるケースもあります。
なぜここまで安くできるのでしょうか?理由を解説します。
モニター価格・まとめ割引
韓国の美容クリニックでは、モニター制度を積極的に活用しています。
施術前後の写真提供やSNSでの拡散を条件に、通常価格より大幅にディスカウントされた料金で施術を提供するケースが増えています。
さらに最近では、インフルエンサーとのタイアップによる集客が急増。
フォロワー数の多いインフルエンサーが施術体験をSNSに投稿することで、広告宣伝費を抑えながら、短期間で大量集客を狙っています。
このようなモニター枠やプロモーション枠を拡充することで、一般の患者にも価格を下げたプランが提供できる仕組みになっているのです。
部位まとめ施術による「まとめ割引」
脂肪吸引は、通常は部位ごとに価格が設定されていますが、韓国では複数部位を同時施術する「パッケージプラン」が主流。
たとえば、「お腹・腰・太もも」などのセット割引が適用され、1部位ずつ受けるよりもトータルコストが抑えられる仕組みです。
クリニック側にとっても、
- 手術室の稼働効率が良くなる
- 麻酔やスタッフの稼働を1回で済ませられる
といったメリットがあるため、パッケージでの割引率を高く設定して集客を狙っているのが現状です。
美容医療市場の競争過熱
韓国では美容医療が国を挙げた産業の一つになっており、特にソウルの江南(カンナム)エリアなどでは、数百軒規模の美容クリニックが密集しています。
供給過剰気味の中で、各クリニックが生き残るためには価格競争が不可避。
新規開院のクリニックでは、
- 開業直後に患者数を確保したい
- クチコミを集めて認知度を上げたい
という目的で、初期段階に限り赤字覚悟の価格設定をするところもあります。
価格を下げても、数をこなして売上を確保するという薄利多売モデルが成立しやすいのが韓国の美容市場の特徴です。
医療人件費・設備コストの違い
韓国では、日本と比べて医療スタッフの人件費が低く抑えられている傾向にあります。
特に美容医療分野では、
- 医師・看護師の報酬水準
- 診療所の家賃・運営費
が日本に比べて低いため、総じて施術価格を安く設定できる構造になっています。
また、大量仕入れによる医療資材コストの削減や、ベルトコンベア式の施術スタイル(短時間で多くの手術をこなす)が可能なため、1件あたりのコストをさらに引き下げることができるのです。
安さには理由がある|リスクも理解して
こうして見ると、韓国で脂肪吸引の費用が安いのは、単に「品質が悪い」からではなく、市場構造と経営戦略の違いによるものだとわかります。
しかし、注意したいのは、価格競争が激しい=施術の質や安全管理が犠牲になるリスクもあるという点です。
・モニター優先で症例を積み重ねたい未熟な医師 ・人件費を削るために少人数で運営されるクリニック ・術後のケアを最低限にとどめるアフターサービス |
こうした背景が存在する以上、「安いからここにしよう」ではなく、医師の経歴・症例数・アフターケア体制を必ず確認してから決断するべきです。
脂肪吸引は簡単な施術ではありません。理想のスタイルを手に入れるためには、安全と技術力を最優先に選びましょう。
▼失敗しないクリニック選びに悩んでいる方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
実際に起きた脂肪吸引の失敗・死亡例とは?
韓国では、これまでに脂肪吸引をめぐる死亡事故や重大な医療事故が報告されています。
具体的な事例としては、次のようなものが挙げられます。
- 麻酔ミスによる心肺停止
十分な麻酔管理が行われず、術中に呼吸が停止。救命処置が間に合わず死亡に至ったケース。
- 術後感染症による敗血症
手術後の管理が不十分で細菌感染が進行。体内に炎症が広がり、命に関わる事態に。
- 大量出血によるショック死
術中に想定以上の血管損傷が発生し、止血が間に合わなかった事例。
また、SNSや美容整形の掲示板では、施術後のトラブルを報告する投稿も数多く見られます。
匿名のため実名こそ明かされていませんが、以下のような共通点が浮かび上がります。
・「安さ」だけでクリニックを選んだ ・症例数が少ない無名クリニックだった ・経験の浅い医師が担当していた ・脂肪を必要以上に除去し、皮膚がたるんだり凹凸ができた |
ただし、リスクは韓国だけに限らない
ここで誤解してほしくないのは、これらのトラブルが韓国特有のものではないという点です。
日本国内でも…
・2023年4月に大阪市内の美容クリニックで、顔の脂肪吸引手術を受けた40歳代の男性が、術後に出血による窒息で死亡。 ・術後感染や麻酔事故による訴訟も毎年一定数存在。 |
つまり、どの国で受けても脂肪吸引はリスクのある手術です、しかし、海外で手術を受ける場合、リスクの「質」と「深刻度」が変わってくるのです。
たとえば
トラブルが発生してもすぐに医師に相談できない
- 渡航後に体調不良が起きても、すぐ再診できない
- 緊急時に日本語で対応できる医療機関が限られる
飛行機での移動がトラブルを悪化させるリスク
- 術後の体はダメージを受けており、気圧変動が血栓リスクや感染症を悪化させる可能性がある
術中・術後の詳細情報は「担当医師」にしかわからない
- 手術内容や麻酔記録、使用した薬剤の情報は基本的に手術した医師にしか共有されていない
- それを日本の医師が正確に把握するのは難しく、トラブル発生時の治療判断が遅れるリスク
異国でのトラブルは、「発見の遅れ」と「対処の困難さ」が大きな問題になります。
日本で施術を受けた場合と比べて、万が一のときの対応に何倍もの時間と労力がかかることを、ぜひ知っておいてください。
【要チェック】他院での脂肪吸引が失敗したらどうなる?再脂肪吸引はできる?
脂肪吸引は、一度で確実な効果が得られる施術ではある一方で、失敗リスクがゼロではないのが現実です。
もし失敗してしまった場合、見た目の問題だけでなく、健康リスクにも直結する深刻な事態を招くことがあります。
術後のしこりや皮膚のたるみ
脂肪を均一に吸引できていない場合、皮下組織がデコボコになり、しこりができたり、皮膚が弛緩してたるみが目立つことがあります。
左右差や凸凹が目立つ
バランスの取れない吸引により、左右非対称になったり、表面に凸凹が残るケースも。これは脂肪層の深さのコントロール不足が原因です。
感染症のリスク
衛生管理が不十分だったり、術後のケアが適切でなかった場合、脂肪層に細菌感染が起こり、炎症や膿瘍(うみ)ができるリスクもあります。重症化すれば敗血症に至る危険も。
麻酔による後遺症
麻酔ミスや、術中管理が甘い場合、麻酔覚醒遅延や呼吸抑制などの後遺症を招くリスクも。特に安全管理が徹底されていないクリニックでは見過ごせないリスクです。
失敗しても「やり直し」は可能。ただし簡単ではない
では、失敗してしまったらすべてが終わりなのか?
いいえ、近年では再脂肪吸引や修正手術を専門に行うクリニックが増えており、
適切な対応をすればリカバリーできる可能性もあります。
再脂肪吸引の目的
- 吸引しきれなかった脂肪の除去
- デコボコのなだらか補正
- 皮膚のたるみの引き締め
- 線維化したしこりの改善
ただし、修正手術は高額になる現実も
修正手術には希望がある一方で、初回手術よりもはるかに難易度が高く、コストも高くなるという現実があります。
- 組織が線維化していて脂肪が取りにくい
- 皮膚が薄くなっていて傷つきやすい
- 血流が悪化して治癒に時間がかかる
こうした状況に対応できる医師は限られており、修正専門のクリニックや熟練医師に依頼する必要があるため、施術費用も高額になりがちです。
修正手術の費用相場
- 通常の脂肪吸引:30〜70万円(部位別)
- 修正脂肪吸引:50〜150万円以上(複雑度によってさらに上振れするケースも)
失敗を修正できる脂肪吸引専門クリニック「365mc」とは?
365mc病院は、韓国初の脂肪吸引専門病院です。
切らない脂肪吸引注射「ラムス」で知られ、負担を抑えた施術を提案しています。部位ごとに専門医が担当し、脂肪吸引のほか修正にも対応。麻酔科医や感染管理チームがサポートに入り、術前検査も丁寧に行っています。日本語通訳によるカウンセリングやアフターケア相談も可能で、渡航前から帰国後までしっかり寄り添ってくれるクリニックです。
安いだけのクリニックにありがちな特徴
脂肪吸引クリニックを選ぶ際、どうしても気になるのが価格ですよね。
もちろんコストは大切ですが、「安さだけ」を前面に押し出すクリニックには、慎重になるべき理由があります。
以下のような特徴が見られたら、安全性や施術の質に不安があるサインかもしれません。
✅️カウンセリング時間が極端に短い
通常、脂肪吸引では、脂肪の付き方、皮膚のたるみ具合、希望のボディラインなどを丁寧にヒアリングし、施術方法を決める必要があります。
カウンセリングが5分~10分程度で終了してしまうようなクリニックは、患者一人ひとりの体質やリスクを考慮せず、マニュアル通りに手術を進める危険性があります。
✅️医師がカウンセリングに出てこない
カウンセリングを担当するのがカウンセラーやスタッフのみで、手術を担当する医師が顔を出さない場合、その医師の経験や方針を直接聞けないまま契約することになります。
術式の選択やリスク説明は、本来執刀医自身の責任。これを怠るクリニックは、責任体制に問題がある可能性が高いです。
✅️麻酔管理を麻酔のプロが行っていない
脂肪吸引は、広範囲に及ぶ脂肪を長時間かけて除去する手術のため、高いレベルの麻酔管理が必要です。
しかし、コストを抑えたクリニックでは、麻酔科専門医を置かず、執刀医が麻酔も兼任しているケースが少なくありません。
これは違法ではないものの、脂肪吸引中は血圧や呼吸の変動リスクが高く、専門的な対応が求められる医療行為です。
麻酔科医が管理するクリニックは、トラブル発生率が低いとされており、
安全性を重視するなら、麻酔科専門医の在籍は必ず確認すべきポイントです。
✅️アフターケアが不十分 or 追加料金が必要
脂肪吸引後のケア(圧迫、排液、マッサージ、内服薬など)は、美しい仕上がりに直結します。
「施術後のケアは別料金」と言われたり、ほとんどフォローがないクリニックは、術後トラブルを自己責任にされる恐れがあります。
最初の価格が安く見えても、術後のケアや必要な圧迫用の着用アイテムに高額な追加費用が発生することもあり得るため事前の確認が重要です。
✅️トラブル時の対応が明確でない
万が一、感染症や出血などのトラブルが起きたときに、24時間対応体制がない、緊急時は他院を受診してくださいと言われるなど、責任逃れのスタンスを取るクリニックも存在します。
アフターサポート体制がしっかりしていないと、いざというとき取り返しがつかない事態になりかねません。
後悔しないために絶対チェックすべき5つのポイント
脂肪吸引を成功させるために、クリニック選びの際には以下のポイントを必ずチェックしましょう。
✅️麻酔科専門医が在籍しているか?
脂肪吸引は全身麻酔や静脈麻酔を使用することが多く、麻酔の安全管理が生命線です。
麻酔科専門医が常勤または専属で管理しているかを確認しましょう。
「誰が麻酔管理をするのか?」は、カウンセリング時に必ず質問を。
✅️医師の実績・SNS発信を確認する
脂肪吸引は、医師の技術力に仕上がりが直結する施術です。
・症例数 ・施術前後の写真 ・患者からのレビュー |
をチェックするのはもちろん、最近は医師自身がSNSで症例や考え方を発信していることも多いので、顔が見える情報発信をしているかも確認ポイントです。
✅️日本語対応があるか?通訳の質も重要
特に海外クリニックの場合、言葉の壁は大きなリスクです。簡単なスキンケアのみでは不便を感じずとも、脂肪吸引は体への負担が大きな手術です。カウンセリングから術後ケアに至るまで、細かいニュアンスが伝わらないと大きなトラブルにつながります。日本語対応のスタッフが常駐しているか、医療通訳(医療知識を持った通訳)がいるかを事前にチェックしましょう。
✅️施術後のアフターケア(圧迫・ドレナージュ・薬の処方)
脂肪吸引は施術に加えて、術後のアフターケアも仕上がりを左右させる重要なポイントです。
・圧迫ケア(バンドやガードル、ウエストニッパーなどの圧迫着の着用指導 ・排液処置(体内に細い管を留置し、無駄な廃液を体外へ出す場合があります) ・内服薬(抗生剤・鎮痛剤)の処方 |
これらがセットになっているか、追加料金なしで提供されるかも確認必須です。
アフターケアが不十分な場合、腫れやしこりが悪化するリスクがあります。
✅️相場感を把握し、不自然に安い価格には注意する
複数のクリニックでカウンセリングを受け、同じ条件で見積もりを比較することをおすすめします。
実際に比較することで、施術内容に見合った相場感をつかむことができます。
もし現地に足を運ぶ時間がない場合でも、
オンラインカウンセリングを受け付けているクリニックも増えています。
日本にいながら、事前に施術内容や料金の詳細を直接確認しておきましょう。
適正な相場を知ることが、失敗しないクリニック選びの第一歩です。
まとめ|安さに惑わされず「安全第一」で選ぼう
脂肪吸引は、体を変えるだけでなく、時には命にかかわるリスクも背負う施術。
安さだけに目を奪われるのではなく、
医師の技術・安全体制・アフターケアをしっかり確認して、後悔のない選択をしましょう。
あなたの体と未来を守るのは、価格ではなく、信頼できる医師とクリニックです。