知る人ぞ知る韓国の鍋料理「ナッコプセ」。釜山の名物グルメですが、最近はソウルでも専門店がたくさんあり、地域問わずに食べられるようになりました。
この記事ではそんなナッコプセの魅力を深堀り!さらに現地で評判の有名店から、気軽に楽しめるチェーン店まで、厳選したおすすめ6店をご紹介します。
韓国でナッコプセを味わってみたいという方は是非参考にしてみてください。
釜山の鍋料理「ナッコプセ」とは?
ナッコプセとは、韓国語で「ナッチ(テナガダコ)」「コプチャン(ホルモン)」「セウ(小エビ)」の頭文字を組み合わせた鍋料理の名前です。海鮮と肉の旨味がぎゅっと詰まったこの料理は、釜山発祥とされており、今や韓国全土で愛されるグルメとなっています。
そのルーツは1960年代、釜山・西面近くの凡一洞にあった食堂にあります。当時、近隣の「朝鮮紡績(チョソンバンジッ)」工場で働く労働者たちのために、お酒のおつまみとして手長ダコを使った料理を提供したところ、たちまち評判に。いつしかその料理は「朝紡(チョバン)ナッチ」と呼ばれ、多くの人に知られるようになりました。
現在では、上記でご紹介した「ナッコプセ」という名称で広く知られ、濃厚なタレとピリ辛の味付けが特徴の鍋料理として、多くの食通を魅了しています。
ナッコプセの食べ方
- まずは具材から
ナッコプセは、まずは取り皿に少しずつ具材をとっていただきます。濃厚なタレと具材の旨味がしっかり絡み、ひと口ごとにピリ辛の刺激が広がります。
- 即席ビビンバとして
さらに、ご飯にナッコプセの具材を乗せて混ぜれば、即席ビビンバのような食べ方もでき、食欲をぐっとかき立ててくれます。
- 麺を追加して〆として
〆にはうどんやラーメン、タンメンなど好みの麺類を追加して楽しむのもおすすめ。とくにうどんは、ナッコプセとの相性が抜群と言われており、実際に追加注文する人も多く見られます。ピリ辛のスープが麺にしっかり絡んで、最後まで美味しくいただけます。
ナッコプセのおすすめ有名店
明洞やホンデなど、ソウルの主要エリアでナッコプセが味わえるおすすめ店を3つご紹介します。
どのお店も駅近で観光でも立ち寄りやすい立地。ソウル旅行で訪れるのにぴったりなお店ばかりです。
光化門トゥッコギ 貞洞チッ
「光化門トゥッコギ」とは、韓国語で「光化門の特別な焼き肉店」という意味を持つ人気店。光化門エリアに本店を構え、周辺に位置する官公庁や大手新聞社で働くグルメなビジネスパーソンたちから長年愛され続けてきました。
創業以来20年以上にわたり、味に厳しい常連客の舌を満足させてきた「光化門トゥッコギ」ですが、その味とノウハウをより広く届けたいという思いから、2023年には観光客でにぎわうソウル・明洞に2号店「貞洞チッ」をオープン。観光地にありながらも、味へのこだわりは本店そのままで、地元客と旅行者の両方から高い評価を得ています。
焼肉がメインのお店ではありますが、実はナッコプセの美味しさにも定評があり、知る人ぞ知る人気メニューのひとつとなっています。
こちらで提供されるナッコプセは、本場・釜山の味をベースにしながらも、辛さを抑えたマイルドな仕上がり。ピリ辛程度の優しい味わいで、辛い料理が苦手な方でも安心して楽しめるのが魅力です。
住所 | ソウル特別市 中区 明洞1街 7-1, 3F (서울특별시 중구 명동1가 7-1, 3F) |
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営業時間 | 月~土曜 11:00~翌1:00 日曜 11:00~22:00 |
定休日 | 旧正月・秋夕(チュソク)の当日 |
アクセス | 地下鉄4号線明洞(ミョンドン)駅 8番出口 徒歩7分 |
テソン食堂
「テソン食堂」は、1984年に創業して以来、長年にわたり地元民から愛され続けている老舗のナッコプセ専門店です。
このお店の自慢は、唐辛子をベースにした秘伝の調味料で作られたスープ。その味わいは、ピリッと刺激的でありながらも、奥深いコクがあり、何度でも食べたくなる中毒性のある一品に仕上がっています。
ナッコプセの3つの具材がしっかりと煮込まれ、それぞれの素材の旨味がスープに溶け込んでいます。韓国春雨(タンミョン)や白菜も入っていて、ボリュームもたっぷりです。
辛さの調整も可能で、特に希望がなければ「辛ラーメン」程度の中辛が基本ライン。辛い料理が苦手な方や、マイルドに楽しみたい方は、注文時に「トルメッケへジュセヨ(辛さを抑えてください)」とひと言伝えるだけで、自分好みの辛さに調整してもらえます。
住所 | ソウル特別市 鐘路区 長沙洞 127-1 (서울특별시 종로구 장사동 127-1) |
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営業時間 | 11:30~21:30 |
定休日 | 旧正月・秋夕(チュソク)の連休 |
アクセス | 地下鉄1号線鐘路3街(チョンノサムガ)駅 12番出口 徒歩4分 |
平和ヨンナム
「平和ヨンナム」は、ホンデエリアにある人気のナッコプセ専門店。
店内はレトロなインテリアで統一されており、どこか懐かしさを感じる雰囲気の中で、ゆったりと食事が楽しめます。カフェのようなおしゃれな空間も魅力で、若い世代を中心に注目を集めています。
タコ・モツ・エビの3種類のメイン具材に加え、ネギや玉ねぎ、韓国春雨(タンミョン)などもたっぷり入っており、ボリューム満点。しっかりと煮込まれた具材の旨味がスープに溶け込み、コクのある辛さがやみつきになります。
味のバランスが良く、辛すぎない絶妙な刺激がクセになると評判で、初めてナッコプセに挑戦する人にもおすすめのお店です。
住所 | ソウル特別市 麻浦区 東橋路 254-1 (서울특별시 마포구 동교로 254-1) |
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営業時間 | 11:30~22:30 |
定休日 | なし |
アクセス | 地下鉄2号線弘大入口(ホンデイック)駅 3番出口 徒歩7分 |
ナッコプセのおすすめチェーン店
韓国全国に店舗を展開するナッコプセ専門チェーンをご紹介します。
本場・釜山発のお店から急成長中の注目店まで、それぞれのお店の特徴を解説します。
龍湖洞ナッチ
「龍湖洞ナッチ」は、釜山・龍湖洞エリアで働く人々に向けてタコ鍋を提供したのが始まりのナッコプセ専門店です。
2003年に釜山本店がオープンし、その後の人気を受けて全国にチェーン展開。今では韓国各地に支店を持ち、テレビのグルメ番組でもたびたび取り上げられる有名店へと成長しました。
現在はソウルにも約20店舗を構えるなど、その勢いは衰えを知らず、観光客にも地元の人々にも親しまれています。どの店舗も安定したクオリティで、本場・釜山の味を手軽に楽しめるのが魅力です。
こちらのナッコプセは、コチュジャンをベースにしたピリ辛の味付けが特徴。見た目は赤くて辛そうですが、激辛ではなく身体の芯からじんわりと温まるような優しい辛さ。初めての方でも食べやすい味付けです。
住所 | ソウル特別市 中区 北倉洞 20-1 (서울특별시 중구 북창동 20-1) |
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営業時間 | 10:30~22:00 |
定休日 | 旧正月・秋夕(チュソク)の当日 |
アクセス | 地下鉄1号線市庁(シチョン)駅 7番出口 徒歩3分 |
ケミチッ
「ケミチッ」は、ナッコプセを初めて開発したとも言われている、釜山発祥の有名店です。
本店は釜山の繁華街・南浦洞に位置しており、地元の人々はもちろん観光客にも長年愛されています。その人気ぶりから、現在は韓国各地にチェーン展開され、どの地域でも安定した味が楽しめるようになりました。
プリプリとしたタコやエビの食感、そしてジューシーなホルモンの旨味が絶妙に絡み合ったナッコプセが評判。特製の辛いソースは、後を引く深みのある味わいが特徴です。
濃厚なコクと程よい辛さがクセになるケミチッのナッコプセは、釜山グルメを代表する存在。ソウルにもいくつか店舗があるので、アクセスしやすい店舗を訪れてみてください。
住所 | ソウル特別市 龍山区 漢江路3街 40-999, モール 4F (서울특별시 용산구 한강로3가 40-999, 몰 4F) |
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営業時間 | 10:00~22:00 |
定休日 | なし |
アクセス | 地下鉄1号線龍山(ヨンサン)駅 2番出口 徒歩1分 |
サウィ食堂
「サウィ食堂」は、2018年の創業以来、わずか数年で急成長を遂げたナッコプセ専門のフランチャイズチェーン。現在では韓国国内に30店舗を超える勢いで展開しています。
このお店の魅力は、なんといっても徹底した品質管理と、味へのこだわり。タレは17種類の素材を使用し、72時間の低温熟成を経て完成する秘伝のレシピで、店舗独自の風味として特許も取得しています。
使用する具材も厳選されており、ホルモンは新鮮な牛の大腸のみを使用し、香味野菜で丁寧に下ごしらえしています。
食材のバランスと、コクのあるピリ辛ダレの組み合わせが絶妙で、一度食べたら忘れられない味。フランチャイズながらもクオリティが高く、どの店舗でも安定した満足感が得られます。
住所 | ソウル特別市 永登浦区 汝矣島洞 23-8, 2F (서울특별시 영등포구 여의도동 23-8, 2F) |
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営業時間 | 月~金曜 11:00~21:30 土・日・祝日 12:00~21:00 |
定休日 | なし |
アクセス | 地下鉄5号線汝矣島(ヨイド)駅 3番出口 徒歩2分 |
まとめ
ナッコプセは、タコ・ホルモン・エビという三つの旨味食材が織りなす、韓国ならではのピリ辛鍋料理です。釜山発祥のご当地グルメとして知られていますが、今ではソウルをはじめ全国各地で楽しめるようになり、その人気はますます広がっています。
今回ご紹介した6選は、ナッコプセが美味しいと評判のお店ばかり。また、辛さ控えめで初めての人にも食べやすいお店から、本場・釜山の濃厚な味わいを楽しめる老舗までそれぞれに特徴があります。
韓国でナッコプセを食べてみたいという方は是非お店選びの参考にしてみてください。